今回は、京都府京都市東山区に鎮座する「剣神社」をご紹介します。
剣神社はトビウオが描かれた「飛魚絵馬」で有名な神社です。
また、古くから疳虫(かんのむし)封じにご利益があると信じられており、子供の守護神として京都府内はもちろん、大阪や神戸、滋賀などからの参拝者も数多く訪れます。
※疳虫(かんのむし)とは、乳児の異常行動を指す俗語。主に夜泣きや癇癪(かんしゃく)、ひきつけ等のこと
そんな剣神社へお参りしていきましょう。
剣神社の由緒
読み方は「つるぎじんじゃ」。
神社の創建時期については、明確な時期は明らかになっていません。
神社の伝えるところによれば、平安京遷都の際に王城守護の為に巽(たつみ=東南)方角に宝剣を埋め、その上に社殿を建てたことが発祥と伝わります。
これが事実であれば、西暦794年頃の創建となります。
平安京王城守護の為に創建された神社としては、他にも「東天王 岡崎神社」や「大将軍八神社」等が有名です。
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別説には、社殿が建つ地域一帯はかつて「鳥戸野(とりべの)」という高貴な人々の葬送地(遺体を葬る場所)であったとされ、後世にその鏡や刀剣などが発掘された際に、それらを神様からの御恩だとしてお祀りしたのが発祥だとする説もあります。
剣神社へ参拝
京都府京都市は東山区。
府道143号線(通称・九条通り)を東進し、東大路通りに差し掛かったところにある「今熊野交差点」から南に1つ目の交差点を東折し、道なりに真っすぐに進んでいると左手に石垣と石柵が見えてくるのが「剣神社」です。
鳥居をくぐるとすぐ正面には本殿が見えます。
左手には手水舎がありますので、こちらでお清めをしましょう。
本殿へと至る脇には「撫石」もあります。
この石を撫でてから、自分の体の悪いところを撫でるとご加護を授かることが出来ると言い伝えられています。
本殿
御祭神:伊弉諾神(いざなぎのかみ)・伊弉冉神(いざなみのかみ)・瓊瓊杵尊命(ににぎのみこと)・白山姫命(しらやまひめのみこと)
赤い鳥居をくぐると、拝殿があります。
こちらで賽銭を投げ、二礼・二拍手・一礼にてお参りします。
私にはまだ子供がいませんので、子宝に恵まれた際には改めて参拝に伺いたいと思います。
拝殿の奥には本殿があり、社殿周辺を1周することが出来ます。
社殿周辺にはトビウオが描かれた「飛魚絵馬」が数多く奉納されています。
社名にちなんで剣=太刀として、「太刀魚」とする説もありますが、トビウオであるというのが有力説です。
この神社には、氏子が古くから願掛けにトビウオを奉納する風習があり、祈願達成に際にもう1度トビウオを奉納して神様に感謝したそうです。
しかしながら、かつて海から離れた京の都で、アシの早い青魚であるトビウオを食す文化は無く、新鮮なトビウオは手に入れることさえも困難でした。
その後物流が発達して新鮮なトビウオが比較的入手しやすくなった戦前戦後の時代には、神社に数多くのトビウオが奉納されたそうです。
ところが、当時の京都もトビウオを食す文化は無く、宮司さんは大量に奉納されたトビウオの処理に大変頭を悩ませたそうです。
そこで考え出されたのが、トビウオが描かれた絵馬をもってトビウオ奉納の代わりとする「飛魚絵馬」ではないかと思われます。
奉納された絵馬には、「子供の喘息がよくなりますように」や「息子の吃音がなくなり、健康に育ちますように」といった子供の守護神ならではの願いが書かれていました。
末社・朝日神明宮
御祭神:天照大御神(あまてらすおおみかみ)
本殿手前の脇道に逸れると、境内に末社が2社あります。
そのうちの1社が朝日神明宮です。
元々は平貞盛(たいらのさだもり)が父の仇である平将門(たいらのまさかど)を討ち取るため、必勝祈願に天照大御神を主祭神として現在の大阪市中央区に創建した神社の分社です。
本社は明治40年(西暦1907年)に別の神社と合祀され「朝日神明社」と改称し、戦火により社殿焼失するなど憂き目に遭いますが、昭和40年には再興され大阪市此花区に鎮座しています。
剣神社から北西500メートルに位置する「新熊野神社」は平家物語にも登場する神社ですから、それに由来するものと考えられます。
あまり見かけない造りの社殿で、囲い社殿の中にもう1つ社殿が建てられています。
末社・三柱合祀社
御祭神:八幡神・稲荷神・春日神
朝日神明宮の左隣には、八幡神・稲荷神・春日神が合祀された末社があります。
いずれも京都に縁の深い神様が祀られています。
剣神社で頂ける御朱印と受付時間
今回頂いた御朱印はコチラ。
初穂料は300円で、社務所にて頂くことが出来ます。
※社務所の写真を取り損ねました…
飛魚絵馬も社務所にて頂くことが出来ます。
また、社務所にてご対応頂いた奥様が非常に気さくな方で、神社にまつわるお話を沢山聞くことが出来ました。
今回の参拝時は、ちょうど鳥居の再建が済んだばかりだったそうで、鳥居職人さんのナイショ話なんかもコッソリ教えて頂きました。
社務所が開いている時間は不明ですが、午前中から15時頃までは窓口を開けていることが多いそうです。
剣神社へのアクセス方法
剣神社へは、バスか電車でのアクセスがオススメです。
バスで参拝する場合は、市バス「泉涌寺道駅」、もしくは「今熊野駅」下車、徒歩10分程度です。
電車で参拝する場合は、京阪電鉄・JR「東福寺駅」下車、徒歩15分~20分程度です。
最寄駅から剣神社までは、緩やかな坂道となっていますので、歩きやすい服装と履物で参拝することをお勧めします。
車で参拝することも出来ますが、周辺にはコインパーキングが少なく、参拝者専用駐車場は鎖で封鎖されていましたので、オススメ出来ません。
まとめ
✔名称
剣神社
✔御祭神
伊弉諾神(いざなぎのかみ)
伊弉冉神(いざなみのかみ)
瓊瓊杵尊命(ににぎのみこと)
白山姫命(しらやまひめのみこと)
✔所在地
京都府京都市東山区今熊野劔ノ宮町13
✔営業時間
詳細不明 明るい時間帯
✔専用駐車場
有
ただし、祭事日のみ?
✔御朱印
有
初穂料:300円
社務所にて頂く
✔アクセス方法
電車・バスで可
電車:京阪・JR「東福寺駅」下車、徒歩15分~20分程度
バス:市バス「泉涌寺道駅」「今熊野駅」下車、徒歩10分程度
✔公式ホームページ
確認出来ず
✔その他特記事項
〇近所には平家物語に登場する新熊野神社が鎮座
〇南には御寺・泉涌寺もある
「東福寺駅」から、「剣神社」
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