今回は、滋賀県甲賀市に鎮座する「田村神社」をご紹介します。
田村神社は、奈良時代から平安時代初期にかけて活躍した、征夷大将軍として有名な坂上田村麻呂を祭る由緒ある神社です。
本殿が建てられているのは、鈴鹿峠に巣食う悪鬼を討伐した坂上田村麻呂が「この矢が落ちたところに私を祀る社を建てよ。それを以って災いを防ごう。」と言って放った矢が落ちた場所だと言われています。
国道1号線に面して鎮座しており、アクセスもしやすい場所にあります。
それでは、田村神社へとお参りしていきましょう。
田村神社の由緒
滋賀県甲賀市、甲賀流忍者の地としても有名な地に鎮座するのは「田村神社」です。
読み方は「たむらじんじゃ」。
神社の創建は西暦812年。
平安京遷都から3年後の西暦797年に征夷大将軍に任じられた坂上田村麻呂は、嵯峨天皇の勅命を受け、西暦810年に当時の東海道で交通要所だった鈴鹿峠に巣食う悪鬼の討伐に向かいます。
この悪鬼は、鈴鹿峠を通る旅人や商人を襲って物品を奪うなど、周辺に住む人々を悩ませていたそうです。
一般的にはこの悪鬼は「立烏帽子」か「大獄丸」と言われていますが、伝承によっては、その「立烏帽子」こそがのちに坂上田村麻呂の妻となる鈴鹿御前だとするものもあります。
果たして、その悪鬼討伐を成し遂げた坂上田村麻呂は、その討伐の帰りに空に向かって矢をつがえ、「この矢が落ちた場所に私を祀れ」と言い、その矢が落ちた場所を本殿として、お祀りするようになったのが発祥と伝わります。
現在では、その坂上田村麻呂の遺功にあやかって、厄除に御利益があると言われています。
また、境内周辺が旧東海道の宿場町だったこともあり、交通安全祈願の神社としても有名です。
ちなみに、かつては鈴鹿峠の滋賀側に田村明神(今回紹介する田村神社とは別社だが、同じく坂上田村麻呂を祭った)、三重側に鈴鹿神社が祀られていたとされ、夫婦神で鈴鹿峠を守護する道祖神としての側面もあったようです。
明治時代には田村明神が鈴鹿神社に合祀され、その鈴鹿神社も現在では片山神社と称されるようになっています。
>>Fateで人気!鈴鹿御前を祀る片山神社へ参拝!アクセス方法も
田村神社へ参拝
滋賀県甲賀市から鈴鹿峠へと続く国道1号線を進んでいると、右手に道の駅「あいの土山」が見えてきます。
その道の駅の反対側に大きな鳥居を構えるのが「田村神社」です。
一の鳥居をくぐると、厳かな雰囲気が漂う杉の杜を真っすぐに貫く参道が現れます。
今回は時期的にも参拝者が少なかったせいか、とても空気が張り詰めているような気がしました。
参道を進むと二の鳥居がありますが、この二の鳥居は他の鳥居と違って、かなり古い時期に建てられたように見受けられます。
そのままさらに参道を進むと開けた場所に出ます。
正面には大きな拝殿(礼殿?)、左手には社務所が見えます。
裏手に手水舎がありますので、ここでお清めをしましょう。
自動なのか、たまたま偶然だったのか分かりませんが、私が手水舎に近づくのと同時に水が出てきました。
手水舎横の四の鳥居をくぐって本殿へと向かいます。
鳥居横には神馬像がありました。
本殿へと続く橋からは厄除の御利益があると言われる「厄落し福豆」を田村川に投げ入れることも出来ます。
また、本殿へと続く参道からは田村川を眺めることが出来る場所に行くことも出来ます。
本殿
御祭神:坂上田村麻呂公・嵯峨天皇・倭姫命
田村神社の本殿前に到着しました。
田村神社の由緒でもある神矢の交り矢が特徴的ですね!!
「すみません、本当は鈴鹿御前を目的に、片山神社へ参拝するついでで伺ったんです。。。」
と大変失礼なことを考えながら、二礼・二拍手・一礼にてお参りします。
田村神社御祭神の1柱である倭姫命(やまとひめのみこと)を鈴鹿御前と同一視する人もいますので、鈴鹿御前を目的に田村神社に参拝するのもあながち的外れではありません。(そもそも夫婦ですからね)
が!!
厳密には鈴鹿御前と同一視されるのは水の祓神といわれる「瀬織津姫(せおりつひめ)」であり、倭姫命は古代日本(西暦200年以前)の皇女だったと言われています。
ですから、倭姫命は同時期に日本で成立していた邪馬台国の女王「卑弥呼」と同一視されることの方が多いと思います。
矢竹(厄除矢)
本殿に向かって左手には、矢竹があります。
一見、何でもない竹の集まりに見えますが、この矢竹が生えている場所こそが、坂上田村麻呂が空に向けて放った矢が落ちた場所だと言われています。
それを踏まえてもう1度矢竹をじっくり見てみると、なんだか地面に突き刺さった無数の矢にも見えてきます。
あなたはどうですか?
摂社・吉崎稲荷社
本殿に向かって右手には、摂社の吉崎稲荷社があります。
なぜ田村神社に稲荷様が祀られているのかは分かりませんでしたが、お稲荷様にご縁のある私はご挨拶しないわけにはいきません(笑)
田村神社で頂ける御朱印と受付時間
今回頂いた御朱印はコチラ。
2つの朱印に社名の筆が入れられています。
そのうち、下の朱印には「鈴」の字と牡鹿らしき動物が確認出来ます。
鈴は鈴鹿峠か鈴鹿御前、もしくはその両方を表しているのでは?と思います。
しかし、牡鹿が描かれているのが少し気になりますね。
次回参拝した際に、神職さんに伺ってみたいと思います。
御朱印の初穂料は300円で、社務所にて頂くことが出来ます。
なお、神社では珍しく、参拝前に御朱印帳を預けて帰りに受け取る形式で頂きます。
私はこのことを全く知らなかったので、参拝後に御朱印を頂きましたが普通に対応して頂けたので、閑散期は間違えても特に問題はなさそうです。
社務所の受付時間は9時~17時となっていますので、ご注意下さい。
田村神社へのアクセス方法
田村神社へは、車かバスでのアクセスがオススメです。
特に車でのアクセスは抜群で、国道1号線沿いかつ、国道を挟んで神社の反対側には道の駅まであるので、道に迷うことはまずないと思います。
また、神社の西側には大きな参拝者専用駐車場(無料)がありますので、駐車場に困ることもないと思います。
※見取り図の画像は田村神社公式HPより引用
バスで参拝する場合は、市内バス(あいくるバス)「田村神社駅」で下車すれば目の前です。
まとめ
✔名称
県社 田村神社
✔御祭神
坂上田村麻呂公
嵯峨天皇
倭姫命
✔所在地
滋賀県甲賀市土山町北土山469
✔営業時間
年中無休 9時~17時
✔専用駐車場
有
利用料:無料
✔御朱印
有
初穂料:300円
社務所にて頂く
オリジナル御朱印帳無
✔アクセス方法
車かバスで可
バス:市内バス(あいくるバス)「田村神社駅」下車
✔公式ホームページ
>>田村神社 公式HP
新名神高速道路「甲賀土山I.C」から「田村神社」
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