今回は京都府京都市東山区にある御寺・泉涌寺の敷地内に建つ「楊貴妃観音堂」をご紹介します。
この楊貴妃観音堂には、その名の通り、世界三大美人の1人である「楊貴妃」をかたちどった観音様が祀られています。
Fateシリーズにおいては西暦2020年元旦にスマホゲーム『Fate/Grand Order』にてサプライズ登場&実装されました。
レアリティは☆5で召喚霊基は特別クラスのフォーリナー。
背中と肩を大きく露出させたノースリーブのような衣装が特徴的ですね!
ちなみに、この衣装は「肚兜(どぅどう)」という中国の伝統衣装の1つであり、まさに楊貴妃こそが初めて着用したと言われている衣装です。
それでは、傾国の美女と呼ばれる楊貴妃をかたちどったと伝わる観音様が祀られている「楊貴妃観音堂」へお参りしていきましょう。
楊貴妃観音堂の由緒
楊貴妃観音像が楊貴妃観音堂に安置されたのは西暦1255年。
読み方は「ようきひかんのんどう」。
楊貴妃観音堂がある泉涌寺の開祖、俊芿(しゅんじょう)の弟子である湛海(たんかい)が中国の南宋から持ち帰ったものだと伝わります。
西暦756年に殺害された楊貴妃を偲んだ古代中国の王朝「唐」の皇帝・玄宗が、香木の白檀で楊貴妃をかたちどって彫った菩薩坐像だとする伝説がありますが、実際の製作時期は南宋時代(西暦1200年頃)だと言われています。
来日した西暦1255年以降、秘仏として100年に1度しか御開帳されなかったそうですが、西暦1955年に来日700年を経て以降は一般に公開されています。
日本で造られた観音像にはあまりみられない写実的な造形が特徴であり、彩色豊かな宝冠をはじめ、ご尊顔は面長で目や鼻の彫りが深く、口元には口の動きを表現しているとされる「ヒゲ」のような描写も見られます。
日本国内で造られた菩薩像の中で最も美しいと言われる弥勒菩薩半跏像(京都・広隆寺所蔵)と比較してみても、装飾品なども含め、確かに一線を画したデザインであるのは一目瞭然です。
現在では美女と名高い楊貴妃にあやかって、美人祈願や良縁祈願に訪れる女性に人気の観音様です。
なお、観音堂内部は撮影禁止となっていますので、カメラを携帯する場合はご注意下さい。
史実及びFateシリーズにおける楊貴妃とは?
史実における楊貴妃は、古代中国の王朝「唐」の第6代皇帝であった玄宗(げんそう)の寵愛を一身に受けた世界三大美人の1人です。
しかし皇帝玄宗が楊貴妃を溺愛し過ぎたあまりに唐の内政は乱れ、唐は滅亡へと傾いたとされ、傾国の美女とも呼ばれています。
Fateシリーズにおいても「大国“唐”を内乱の戦火で燃え上がらせ、王朝滅亡の元凶となった美貌の貴妃」というキャラ設定がなされています。
ところが、現代における楊貴妃の評価は見直されており、過度の贅沢や政治介入はしておらず、分をわきまえていたという説もあります。
さらに、唐滅亡は西暦907年とされており、楊貴妃の死(西暦756年)からなんと151年も後です。
楊貴妃は唐滅亡の遠因ではあるかもしれませんが、“元凶”というにはあまりにも誇張が過ぎる、という見方をする人もいます。
Fateシリーズにおいて、第3再臨後にフォーリナーとして異形を発現するまでの彼女が非常に素直で明るい性格が愛らしく、とても傾国の美女だったとは思えないのは、この説を根底に添えているからかもしれません。
「Fate/Grand Order」においては復刻イベントにて単発戦闘に登場したのみで、ストーリーには今のところ登場していません(令和2年1月時点)。
しかしながら楊貴妃に関連するサーヴァントは割と多く、傾国の美女繋がりでは「玉藻の前」、世界三大美人繋がりでは「クレオパトラ」、また中国繋がりでは「始皇帝」、義理の祖母として「武則天」(皇帝・玄宗は武則天の孫)なども挙げられます。
今後なにかしらのイベントで物語に登場する可能性は非常に高いと思われます。
楊貴妃観音堂(泉涌寺)へ参拝
京都府京都市東山区。
府道143号線(通称・九条通り)を東に進み、鴨川を渡った先にある「泉涌寺道」交差点を東折。
左右に多くのお寺が立ち並ぶ道をそのまま真っすぐ進んで行くと、突き当たりに駐車場が見えてきます。
そこに大門を構えるのは皇室からの信仰も篤い、真言宗泉涌寺派の総本山「御寺・泉涌寺(みてら・せんにゅうじ)」です。
拝観料を納め、境内へと足を踏み入れます。
境内に足を踏み入れてすぐ左手に今回の目的である「楊貴妃観音堂」があります。
泉涌寺は皇室の菩提寺として有名であり、歴代天皇の御陵があることから「御寺」と称されます。
楊貴妃観音堂が目的であったとしても、ぜひ泉涌寺の広大な境内も隅々まで拝観するのをオススメします。
というよりも、楊貴妃観音堂は小さなお堂なので、それだけの為に泉涌寺大門で拝観料を納めるのはちょっともったいないと思ってしまうのは、私だけではないハズ(笑)
ただし、観光客も数多く訪れるので、観光客の波に飲み込まれてしまうと人混みが苦手な人には少しツラいかもしれません。
楊貴妃観音堂の案内表札は目に入りやすい位置に立てられているので、見逃すことは無いと思います。
また、万が一見逃したとしても、帰り際に大門前にもう1つ大きな案内表示があるので、それに気付くと思います。
楊貴妃観音堂へと続く道の脇には手入れのされた小さなお庭があり、なかなか趣のある参道です。
お堂の手前に手水舎がありますので、ここでお清めをしましょう。
2020年元旦の実装初日に、いずれ実装されるであろうカイニスの為に貯めていたはずの聖晶石を放出して、世界三大美人の1人を2枚抜き召喚に成功した喜びそのままに、合唱礼拝します。
お堂入口の上には、楊貴妃の肖像画が掲げられていました。
なお、楊貴妃観音像はお堂の中に入って直接拝観することが可能ですが、残念ながらお堂内部は撮影禁止となっていましたので、ご注意下さい。
お堂の中ではお守り等を頂くことも出来ます。
美人祈願や良縁祈願のお守りがありましたが、私は「開運」のお守り(200円)を頂くことにしました。
楊貴妃となかなか縁が結ばれないマスターは、次回ピックアップ召喚開催時に是非この楊貴妃観音堂に参拝し、良縁祈願のお守りを握りしめて召喚チャレンジしてみてはいかがでしょうか?
それまでは聖晶石集めを頑張りましょう!!
楊貴妃観音堂(泉涌寺)で頂ける御朱印と受付時間
今回頂いた御朱印はコチラ。
御朱印は楊貴妃観音堂ではなく、泉涌寺の本坊にて300円で頂くことが出来ます。
楊貴妃観音堂から本坊へは境内奥へ500メートルほど進んだ場所にあります。
本坊ではもちろん泉涌寺の御朱印を頂くことも出来るのですが、当然ながら基本的には泉涌寺の御朱印を記帳して下さるので、楊貴妃観音堂の御朱印を頂きたい場合は、「楊貴妃観音堂の御朱印を下さい」と伝える必要がありますのでご注意下さい。
泉涌寺の御朱印も別途300円で頂くことができますが、泉涌寺の御朱印も一緒に頂くのであれば必ず泉涌寺の仏殿や霊明殿にも参拝しておきましょう。
なお、御朱印が頂けるのは泉涌寺の拝観時間である9時~17時(冬季は16時半まで)となっていますので、ご注意下さい。
楊貴妃観音堂(泉涌寺)へのアクセス方法
楊貴妃観音堂へは、車かバスでのアクセスがオススメです。
車で参拝する場合は大門の目の前に参拝者専用駐車場(無料)がありますので、そちらをご利用下さい。
バスで参拝する場合は、市バス「泉涌寺道駅」下車、徒歩15分程度です。
電車で参拝することも可能ですが、最寄駅のJR奈良線・京阪電車「東福寺駅」からは徒歩で20分以上かかりますのであまりオススメ出来ません。
まとめ
✔名称
東山(泉山) 真言宗泉涌寺派 総本山 泉涌寺
重要文化財 楊貴妃観音堂
✔御本尊
釈迦如来
阿弥陀如来
弥勒如来
※いずれも泉涌寺の本尊
✔所在地
京都府京都市東山区泉涌寺山内町27
✔営業時間
夏季:9時~17時
冬季:9時~16時半
その他、行事により変動あり
公式HPのカレンダーを参照
✔専用駐車場
有
利用料:無料
✔御朱印
有
本坊にて300円で頂く
楊貴妃観音堂・霊明殿・洛陽観音・京都十三仏の4種を確認
✔アクセス方法
車・バスで可
バス:市バス「泉涌寺道駅」下車、徒歩15分
✔公式ホームページ
>>御寺 泉涌寺 公式HP
✔その他特記事項
〇清少納言が晩年を過ごした月輪山荘から近い場所と言われ、境内には「夜をこめて 鳥のそら音は はかるとも よに逢坂の 関はゆるさじ」の歌碑が建てられている。
「御寺・泉涌寺」
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