土蜘蛛の棲み処にあった灯籠?東向観音寺へ参拝!御朱印とアクセスも

寺院

今回は京都府京都市上京区にある「東向観音寺」をご紹介します。

全国12000社を超える天満宮の総本社である北野天満宮参道脇にあるお寺です。

北野天満宮の参道を正面ばかり見て歩いていると、もしかすると気付かないかもしれません。

無実の罪で太宰府へと流された菅原道真公が、太宰府の地で御自らお造りになられたと伝わる十一面観音像を御本尊に祀る、北野天満宮の神宮寺と言われています。

神宮寺とは、神仏習合によって神社と共に付随して建立されている寺院やお堂のことで、つまり現在の東向観音寺は北野天満宮に付随するお寺だということになります。

また、境内奥には、源頼光によって討伐された「土蜘蛛」の棲み処にあったとされる灯籠も奉納されています。

それでは、東向観音寺にお参りしていきましょう。

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東向観音寺の由緒

京都府京都市は上京区。

全国天満宮の総本社である「北野天満宮」の一の鳥居をくぐり、神門の方向へと少し参道を歩いていると参道脇の左手に山門が見えてくるのは、真言宗泉涌寺派の寺院「東向観音寺」です。

東向観音寺山門正面

読み方は「ひがしむきかんのんじ」。

寺院の創建は西暦806年。

桓武天皇の御意向を受け、賢環(けんきょう)法師が開山したと伝わります。

創建当時は「朝日寺」と称しており、天満宮とはあまり関わりの無いお寺だったと思われます。

しかし、西暦947年に菅原道真公が没すると、朝廷の勅を受けた朝日寺の最鎮(さいちん)らが北野天満宮を建立し、朝日寺を北野天満宮の神宮寺としたことで密接な関係となります。

西暦961年には、太宰府天満宮からほど近い場所にある「観世音寺」(福岡県太宰府市)から、菅原道真公作の十一面観音像を招き入れ、現在に至るまで御本尊として祀っています。

ちなみに、福岡県太宰府市の観世音寺には、菅原道真公詩「都府の楼には纔に瓦の色を看る 観音寺にはただ鐘の声をのみ聴く」に詠まれた国宝の鐘があります。

観世音寺は私も2015年に1度訪れたことがあるお寺ですが、国宝をこんな扱いして良いのだろうか・・・と心配になるほど無造作に鐘が吊るされていたのを思い出しました。

鐘を囲う柵には蜂の巣なんかも出来ていて、荒廃寺の様相も呈していましたが、参拝当時の写真データが手元に残っていないのが悔やまれます・・・。

>>観世音寺(福岡県太宰府市) 太宰府市公式HP

話が逸れましたが、そうして北野天満宮の神宮寺となった朝日寺は、西暦1311年には名称を太宰府の観世音寺に倣って「観音寺」に改め、北野神宮寺とも呼ばれるようになります。

かつては西向きの観音堂も境内にあったそうですが、火災などにより喪失し、本堂である東向の観音堂が残り、これが由来となって現在は「東向観音寺」と称されるようになりました。

東向観音寺に参拝

御本尊:十一面観音像

北野天満宮の参道脇に山門が見えるのが東向観音寺です。

東向観音寺山門

一礼して境内に足を踏み入れる際、山門に猪目(いのめ)を見つけました。

東向観音寺 猪目

境内は決して広くはなく、10分もあれば見て回るには充分だと思います。

山門をくぐって正面には本堂である東向の観音堂があります。

東向観音寺本堂

常香炉にてお清めをし、静かな心で手を合わせて、お参りします。

今回はお堂が御開帳しておらず、お堂の内部を見ることは出来ませんでした。

しかしながら、御本尊である菅原道真公作の十一面観音像は秘仏だそうで、道真公ゆかりの数字である「25」に由来するのか、25年に1度しかお目にかかることは出来ないそうです。

ちなみに次回の御本尊公開は2027年だそうで、その際はぜひもう1度参拝してこの目で拝観したいものです!

本堂向かって右手には不動明王、左手には弘法大師(空海)が祀られています。

東向観音寺本堂不動明王

東向観音寺本堂弘法大師

他にも弁財天が祀られていたり、行者堂があったり、撮影禁止の白衣観音堂があったりするのですが、個人的には本堂の奥(南側)にある「土蜘蛛灯籠」が1番の見所だと思います。

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東向観音寺弁財天・行者堂・廟

私は源頼光ファンなのですが、こんなところに源頼光ゆかりの地があるとは思いもしなかったので、一気にテンションが上がりました(笑)

その源頼光については別のページでもご紹介していますので、興味のある方そちらもご参照ください。

>>Fateで人気!源頼光が祭られる多田神社へ!御朱印と時間、アクセスも

>>Fateで人気!源頼光と坂田金時が酒呑童子の首を埋めた「首塚大明神」へ参拝!

源頼光の「土蜘蛛討伐」は「大江山の鬼退治」と並んで頼光にまつわる有名な逸話の1つですが、その土蜘蛛の棲処にあったのがこの灯籠だと言われています。

東向観音寺土蜘蛛灯籠
※画像は東向観音寺公式HPより引用

かつては七本松一条通り(東向観音寺からわずかに南東方面の通り)にあったそうで、明治時代、とある人がもらい受けて庭に飾っていたそうですが、家運が傾いてしまったので「土蜘蛛の祟りだ」と恐れ、東向観音寺へと奉納されたと伝わります。

ちなみに、「土蜘蛛討伐」に描かれる土蜘蛛はまさに蜘蛛の妖怪として登場しますが、本来の意味での土蜘蛛とは、朝廷に恭順せずに抵抗した先住民族のことで、洞穴に居住して背が低く、まるで土に住む蜘蛛のようだったことに由来しています。

つまり、朝廷に従わない好戦的な先住民族を源頼光が成敗した、という話が民衆に向けて脚色されたのが現在の「土蜘蛛」であると言っても過言ではなさそうです。

土蜘蛛vs源頼光
※『新形三十六怪撰』より「源頼光土蜘蛛ヲ切ル図」

土蜘蛛がなんだかカワイイ(笑)

東向観音寺で頂ける御朱印と受付時間

今回頂いた御朱印はコチラ。

東向観音寺御朱印1

「大悲殿」という観音様が安置されている場所を示す筆が入れられています。

御朱印は本堂右手にある受付にて300円を納めて頂くことが出来ます。

東向観音寺受付

東向観音寺御朱印

御朱印帳も確認出来ましたが、東向観音寺オリジナルの御朱印帳ではないと思われます。

東向観音寺御朱印帳

なお、御朱印が頂けるのは受付が開いている9時~16時半までとなっていますので、ご注意下さい。

東向観音寺へのアクセス方法

東向観音寺へは、車の他、いずれの公共交通機関でも無理なく参拝することが出来ます。

車で参拝する場合は北野天満宮の駐車場(無料)を利用すると良いでしょう。

バスで参拝する場合は、市バス「北野天満宮前駅」で下車し、徒歩2~3分です。

電車で参拝する場合は、京福電鉄北野線「北野白梅町駅」で下車し、徒歩10分~15分です。

ただし、公共交通機関で参拝する場合、大勢の観光客や北野天満宮の参拝客に巻き込まれる可能性がありますので、ご注意下さい。

まとめ

✔名称
朝日山 真言宗泉涌寺派 準別格本山 東向観音寺

✔御本尊
十一面観音像(菅原道真公作)

✔所在地
京都市上京区今小路通 御前通 西入上る観音寺門前町863(北野天満宮参道)

✔営業時間
年中無休 9時~16時半

✔専用駐車場

北野天満宮参拝者用駐車場を利用
利用料:無料

✔御朱印

300円
受付にて頂く

✔アクセス方法
いずれの手段でも可
バス:市バス「北野天満宮前駅」下車、徒歩2~3分
電車:京福電鉄北野線「北野白梅町駅」下車、徒歩10分~15分

✔公式ホームページ
>>東向観音寺 公式HP

✔その他特記事項
〇北野天満宮の参道脇にある
〇源頼光ゆかりの地でもある→土蜘蛛灯籠
〇福岡県太宰府市にある観世音寺も訪れておきたい

京福電鉄北野線「北野白梅町駅」から、「東向観音寺」
※案内通りに行くと、東向観音寺の裏手に着きます。

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この記事を書いた人
篠町

30代に突入した製薬会社に勤めるサラリーマン。
仕事にやりがいを見い出せず、プライベートで趣味の競艇や寺院仏閣巡りに精を出す。御朱印集めも大好き。

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