今回は、京都府長岡京市に鎮座する「走田神社」をご紹介します。
初穂を作る田、早稲田の守り神として祀られる走田神社は、平成30年に関西地域一帯を襲った台風21号により甚大な被害を受けてしまいました。
私が初めて参拝に訪れた時には、すでに台風被害を受けた後で、事前に画像で神社境内の様子を見ていただけに、大きく様変わりしてしまった走田神社の境内の様子に唖然としたのを覚えています。
そんな走田神社へお参りしていきましょう。
走田神社へお参り
京都府長岡京市、紅葉を見る為に全国各地から参拝客が多数訪れる光明寺や長岡天満宮からほど近い山間に鎮座するのは、早稲田の守護神を祀る「走田神社」です。
読みは「はしりだじんじゃ」。
神社の創建時期については詳しく分かっていませんが、かつては山城國乙訓郡(現在の乙訓郡大山崎町)で正一位の神階を賜ったとされる(諸説あり)小倉神社から神輿がこの走田神社まで来ていたそうです。
社名である「走田」とは初穂を作る田、つまり早稲田(周辺地域の中で最も早く刈り入れが行われる水田などのこと)のことを意味するそうです。
ちなみに「正一位」とは神社に与えられる格付けのようなもので、最高階級の神社を表す神階です。
正一位を冠する神社は「春日大社(奈良県)」や「伏見稲荷大社(京都府)」、「鹿島神宮(茨城県)」など全国的にも著名な神社が名を連ねます。
少し話が逸れましたが、そんな走田神社の鳥居は、閑静な住宅街の道沿いにあります。
鳥居のすぐ横には、3台の駐車スペースがあるコインパーキングがありますので、車で参拝する場合はそちらに車を停めて境内へと続く参道を進みます。
平成30年、25年ぶりに「非常に強い」勢力で日本に上陸し、関西地域に甚大な被害をもたらした台風21号。
当時、大阪市内では乗用車が風にあおられ横転したり、大型船が関西国際空港の連絡橋に衝突したことでもニュースに大きく取り上げられたのは、まだ記憶に新しいことでしょう。
そんな台風21号は、走田神社にも大きな爪痕を残していきました。
社殿へと向かう134段の長い石階段の両脇には、かつて木々が多い茂り、神聖な場所として地域の人々からも信仰を集めていたそうですが、今やその当時の様子をうかがい知ることは出来ません。
ちなみに写真中央に吊るされている枯草のようなものは、台風被害に遭う前からある占いに使われていたしめ縄です。
長岡京市の公式HPには台風上陸前の同じ場所の写真が掲載されていますが、写真を見比べてみると本当にここが同じ場所なのか、と自分の目を疑いたくなるほどです。
※画像は長岡京市公式HPより引用
台風がもたらす強風によって周囲の木々がなぎ倒されてしまい、現在は見晴らしの良い高台のようになっています。
遠くには京都縦貫道と名神高速道路が交わる大山崎インターチェンジも見えます。
社殿へと向かう石階段を登りきると、左手には手水舎があります。
自然災害の恐ろしさを改めてしみじみと感じながら、手水舎にてお清めをします。
本殿周辺はさほど広くはなく、こじんまりとした社殿です。
奉納殿を挟んで左右に社務所らしき建物があり、その奥に走田神社の本殿があります。
御祭神は天児屋根命(アメノコヤネノミコト)・武甕槌神(タケミカヅチノカミ)・経津主神(フツヌシノカミ)・姫大神(ヒメオオカミ)の四柱。
いずれも春日大社・鹿島神宮・香取神宮などの正一位神社において、主神として祀られている神様です。
少し緊張しながらも、お賽銭を投げ入れてお参りをしようとしたのですが、ここでまさかのお賽銭を“断られる”という事態に・・・。
いつも通りにそっと投げ入れたつもりだったのですが、賽銭箱の格子部分に弾かれてしまい、賽銭箱の外へポトリ。
「賽銭など要らぬ」と言われたような気持になり、「せめて10円の方が良かったのかな・・・??」と1人で内心ドキドキし始めましたが、そのまま放置しておくわけにもいかず、拾いなおしてもう一度賽銭箱へと投げ入れました。
こういった場合、神社参拝の礼儀作法の観点からはどうしたら良いのか、知っている方はぜひご教授お願い致します。
収まらない動悸に焦りを感じつつも、二礼、二拍手、一礼にてお参りします。
本殿の脇には摂社も五社確認できました。
春日神社・熊野神社・稲荷神社は確認できたのですが、残り二社がどの神様を祀っているのかは識別することが出来ませんでした。
帰りは、境内奥からスロープ状の階段がありますので、そちらから失礼します。
途中で石階段と合流しますが、やはりここから見る景色も台風被害を受ける以前とは全く違う風景なのでしょうか?
いつかこの木々たちが再び成長し、以前のように石階段を覆い繁るようになる頃には、果たして私は生きているのでしょうか。
少しブルーな気持ちのまま、走田神社を後にします。
走田神社の御朱印と頂ける場所
走田神社の御朱印はコチラ。
走田神社境内に社務所らしき建物がありますが、御朱印は走田神社では頂くことが出来ません。
走田神社から南東に約1kmに鎮座する「長岡天満宮」が兼務社となっており、長岡天満宮の社務所で初穂料200円で頂くことが出来ます。
ただし、長岡天満宮の社務所で走田神社の御朱印が頂けるという案内や表示は無いので、社務所の方に「走田神社の御朱印を下さい。」と伝える必要がありますのでご注意下さい。
また、走田神社境内の方にも「御朱印等は長岡天満宮にて授与」という案内や表示は見当たりませんでした。
なお、長岡天満宮の社務所が開いているのは9時~18時(冬季は17時まで)となっていますので、併せてご注意下さい。
走田神社へのアクセス方法
走田神社へは、車・バスどちらのアクセス方法でも無理なく参拝することが出来ます。
車で参拝する場合は、鳥居のすぐ隣にコインパーキングがありますので、そちらをご利用下さい。
バスで参拝する場合は、阪急バス「美竹台住宅前駅」で下車、徒歩2~3分です。
ただし、参拝したその足で、走田神社の御朱印を頂くために長岡天満宮へも参拝するのであれば、移動しやすい車でのアクセスをオススメします。
まとめ
✔名称
乙訓十九座 走田神社
✔御祭神 御本尊
天児屋根命
武甕槌神
経津主神
姫大神
✔所在地
京都府長岡京市奥海印寺走田3
✔営業時間
不明
✔専用駐車場
無
一の鳥居横のコインパーキングを利用
✔御朱印
兼務社である長岡天満宮にて頂く
初穂料:200円
✔アクセス方法
車・バスで可
バス:阪急バス「美竹台住宅前駅」下車、徒歩2~3分
✔公式ホームページ
確認出来ず
✔その他特記事項
〇平成30年、台風21号により境内が甚大な被害を受けた
「走田神社」
コメント